「TERMINAL」では
ここの土地、人、建物と共に流れている日常を紹介します。
私たちがここに事務所を構え仕事を開始したのは極寒の2012年12月25日。
~ 新潟県加茂市 ~
四季の中で移り変わる山、木々、花、野菜・・・・。
冬、凍えるような寒さと、一夜にして積もる雪と静寂
春、雪がとけきらない原っぱにふきのとう
夏、厳しい暑さの中に時折とおる川風
秋、木々がこれまで蓄えた葉や実を赤く染める
-STORY-
2009年2月、異国の文化と歴史に彩られた街、横浜に暮らし始めました。
歩いて、みなとみらい、赤レンガ倉庫、元町・中華街に行け
現代とレトロが入り混じる横浜を感じ、充実した生活を過ごしていました。
輸入品やデザインなどの事務所兼、WEBショップを開き
地域に少しづつ根付いていきました。
店の名前はMACHITOKI(街に流れている時間という意味)にしました。
そんなある日、仕事で改めて「街に流れている時間」という言葉を
考えている時に「自分自身の日常」を意識しました。
どこの街にも人がいて、それぞれの日常があります。
横浜や東京、ニューヨークやパリにもありますし
ふるさとの山奥や団地や商店街にもあります。
どちらがいいかはわかりません。
ただ、この頃仕事でパソコンにずっと向かっている日々の中で
仕事や生活がデジタルな架空な世界のように感じはじめ
少し目がまわりました。
ある日、ふとひらめいたように荷物を全部まとめて
一度ふるさとに帰ろうと思いました。
そしてすぐ実行に移し、数日後には実家のベットの上に寝ていました。
横浜や東京の都会から感じるエネルギーが好きな私は
「とりあえずだ。一旦休憩だ。また都会に戻る」と考えながら
地元新潟で部屋を借り、少しだけ以前よりもゆっくりとした生活を送りました。
都会のみなぎるパワーはないかもしれませんが、心がぽわんとしました。
しばらくは住んでいたアパートの部屋をもう一部屋借りて
事務所にしていましたが、そろそろ本格的に事務所を構えようと
関東も含め探し始めました。
と言っても、事務所は絶対に妥協せずにこだわろうと思っていたため
探しに探しました。 でもなかなか見つかりませんでした。
とんでもなく長い距離を車で走り回りました。
でも、みつかりませんでした。
そんな時、ちょっと信じられない出会いがありました。
車でたくさん走り回った遠くの場所ではなく
灯台もと暗しというか
新潟のしかも地元の街に
私が思い描いていた建物があったんです。
その場所を使わせていただけるかどうかは別として
こんな建物があったということに本当に驚きました。
それからしばらくして管理されている方のところへ伺い
事情を説明し、使わせていただけることになります。
本当にうれしかったのと、
築70年のこの建物(旧郵便局)が役目を終え
使われなくなってからも、窓を開け、風を通し、掃除をして
この建物を今日まで大事に守ってきた方々の
愛情とやさしさにすごく感動しました。
そして、私たちが使わせて頂けるようになってからも
地域の方の温かさに触れさせて頂き
また自然の豊かさ、素晴らしさも強く感じました。
自然とうまく調和していきながら、日々を大切に歩んでいく。
ここの場所だから、この建物が70年もの長い間
生き続けてこれたのだと確信しました。
そんな時間が流れるこの場所の日々をお伝えしてゆきます。